第22回日本インテリア学会大
会(大阪) ご報告 |
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大会を終えて |
大会長 小宮容一 |
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2008年頃より、第6回AIDIA(アジアインテリア学会) 大会の日本開催が検討されました。AIDIA大会を関西支 部で受けるなら、日本インテリア学会大会を同時に開催 してはと云うことになり、2009年6月には準備委員会が 発足しました。国際大会に相応しい会場・パネル発表の ツール・出版物・パーティー等詳細の検討をしておりま した。12月に中国北京でAIDIAの役員会が開催され、加藤力先生のご努力にもかかわらず、中国の強い主張と 希望により、第6回AIDIAは中国南寧での開催が決定さ れました。準備委員会のメンバーの落胆は、隠せないと ころではありました。しかし、寛容な心と、粘り強い力 を持続・集結して、今回の第22回日本インテリア学会大 会(大阪)を準備・開催・無事完了させることができました。 実行委員には格別の感謝を申し上げると共に、参加い ただいた会員・関係各方面の方々にも感謝申し上げます。 |
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大会概要 |
実行委員長 郷力憲治 |
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今年の 1 月、日本インテリア学会第 22 回大会(大阪)が大阪樟蔭女子大学で開催されることが正式に決まりました。 |
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見学会報告 |
片山 勢津子 |
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10月23日午後、汗ばむほどのお天気に恵まれて,総勢47名の参加者で見学会を行うことができました。今回の見学場所は,樟蔭女子大学樟徳館(登録有形文化財),鴻池新田会所(国史跡・重要文化財),大阪市立住まいのミュージアム・大阪くらしの今昔館の3箇所です。東大阪の2つの施設と住まいのミュージアムを見学する事で,大阪の居住文化とともに大阪という町の成り立ちを知って頂こうとの意図からの企画でした。 樟徳館は,翌日の研究発表会会場でもある樟蔭女子大学の学園創始者の私邸です。銘木を多用した和洋折衷のインテリアから,材木商としてのこだわりと昭和初期の商都大阪の息吹を感じて頂けたのではないでしょうか。 その後バスに乗車し,中川等先生(大阪産業大学准教授)から大阪平野の成り立ちや江戸時代の新田開発の概要説明を受けながら移動。鴻池新田会所では,新田経営のなかで生み出された飾り気のない大柄な造作を見学致しました。 続いて,住まいのミュージアムへ移動し,江戸天保期の大坂の町並をボランティアの方の説明を聞きながら見学しました。閉館時間が迫っていたため駆け足での体験となりましたが,熱心な説明や町家の造作から,大阪人の気質や行動規範についても十分ご理解頂けたのではないかと思われます。 |
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懇親会報告 |
来海 素存 |
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会場の「シティプラザ大阪HOTEL&SPA」は、2006年4月オープン(設計:日建設計、施工:大林組)し、大阪市内の中心部にあり交通至便で装備も良いので、下見の後、会場に決定しました。 懇親会は4階の宴会場『海』(KAI)で18時より開会。塚口眞佐子実行副委員長の司会により、小宮容一大会長が紹介され、主催者挨拶を行いました。引き続き高橋鷹志会長のご挨拶を頂き、来賓祝辞を近畿経済産業局産業部サービス産業室室長の田口一江氏、(社)日本インテリアプランナー協会会長の加藤精一氏、(社)日本インテリア設計士協会副会長の宮後浩氏、(社)日本インテリアデザイナー協会関西事業支部支部長の山本紗代子氏に頂きました。 その後、学会理事の直井英雄氏の音頭により乾杯。歓談・会食が始まりました。余興では会員の石橋實氏がリーダーを務める「E-アンサンブル」という男性8人グループの合唱を鑑賞。関西に縁の有る選曲で場内が一層盛り上がりました。 再度歓談を行い、各支部長と各部会長支部・各部会報告も実施されました。2時間が、またたく間に過ぎて、懇親会は閉会。最終出席者は約70名となり、美味しい食事とホテルの心地よいサービスにも満足し、翌日の研究発表会への英気を養うと共に会員相互のコミュニケーションを図ることが出来ました。 |
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特別講演会報告 |
中村 孝之 |
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10月24日、大会学術講演会のプログラムの一つとして、特別講演会を開催しました。今回は、大阪の住まいと暮らし文化に触れるという、前日の見学会から一貫した趣旨で、京都大学大学院高田光雄教授をお招きし、「大阪の居住文化とインテリア」と題して、近世の大坂の住まいとまちの成り立ちから、これからの住宅への考察に至る、密度の高い講演をいただきました。 ご講演の内容は、まず近世大坂の居住文化と裸貸について、「住まいのミュージアム」を取り上げてわかりやすく解説されました。次に、そのことと大いに関係する、高田先生が現在の住宅研究の中で30数年間取り組んでこられた、スケルトン・インフィル住宅について、特にインテリアに関連する部分を取り上げて紹介されました。そして最後に、最近ご関心の事柄として、これまでのSIの概念を変える愛着型インフィルのお話を通じて、「住み応え」という提言をただきました。 前日駆け足での見学となった「大阪市立住まいのミュージアム・大阪くらしの今昔館」での展示内容の解説や、大阪の居住文化と結び付けた住まいへのご提言まで、充実した内容となりました。 |
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学校教室用家具デザインコンクール 作品展/表彰式 |
白石 光昭 |
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本学会創設 20 周年記念事業として、昨年の 12 月に応募要領を公表し、平成 22 年の2月〜3月に募集を行った。募集対象は会員のみでなく、一般の方にも広げた。これは、インテリア学会の存在を多くの方に知っていただきたいことや学校用家具への認識を高めたいと考えたからである。応募総数は 91 点に及び、コンクール実施の成果はあったものと判断している。 審査結果であるが、最優秀賞の該当作品はなしとし、最優秀賞の代わりに優秀賞を4点追加した。また、佳作は応募要領通り2点である。なお、高校生からの応募も数多くあったため、今後の活躍を期待して、応募要領にはなかった奨励賞を設置することが審査会で決まり、1点が選ばれた。 関西大会では、応募要領の計画通り入賞者の表彰式を行った。また、入賞者及び一次審査を通過した計27点を展示した。実行委員会のご協力を得ることで、無事に終えることができた。ただし、展示会も初めての試みであり、今後のことも含め、多くの方から貴重なご意見を頂ければと考えている。なお、当学会では今回実施したデザインコンクールを今後も継続的に実施していく方向で検討していることを付け加えておきたい。 最後に、株式会社岡村製作所様、株式会社カンディハウス様、共栄興業株式会社様、コクヨファニチャー株式会社様、スガツネ工業株式会社様、株式会社ホウトク様、プラス株式会社にはご協賛を頂き、社団法人日本オフィス家具協会様、株式会社近代家具出版様にはご後援を頂いた。御礼を申し上げる。 |
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卒業作品展 |
植松 曄子 |
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10 月 23 日(土) 24 日(日)記念館で開催された。この建物は昭和 2 年に建設され、平成 18 年に登録有形文化財に登録された大正モダンの雰囲気を現在に伝える建造物です。今回は、学校教室用家具デザインコンクールの優秀賞・佳作・奨励賞の9作品も展示された。卒業作品展の出品校は大学・大学院27名(グループ1)、短期大学1名、専門学校2名、高等学校4名(グループ2)の計34をA1パネルの作品で展示した。 2007 年より行われている各賞の審査は高橋会長他4名で行い閉会式に受賞者を発表し、受賞者は以下です。 |
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弁当四方山話 |
山内 一弘 |
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今回,お世話になりました「うめ原」さんにつきまして少し紹介いたします。当日,関西支部が用意いたしましたお食事の感想は「ちょっと違うね!」,「大変美味しかった!」とか「これが1000円弁当!!!」など,会員の皆様からお褒めの言葉をいただきました。そこには納得の理由があります。実はこのお店,ルーツは「南地 丸三楼」という大阪ミナミの料亭にあります。そこで板場を預かっておられた方が,料理の責任者であるとのことです。残念ながらこの丸三楼は2007年,突然お店を閉めてしまいました。今では関連する「丸三雪稜庵」が,大阪府堺市の仁徳天皇陵近隣にて営業されるのみとなっています。 さて,味もさることながら,当日のサービスも丁寧なものであったかと思います。「温かい食事は温かく」のコンセプトで接客していただきました。なんと!うめ原さんのスタッフも丸三楼にて接客をされていた方々でした。閉店後,そっくりそのまま事業展開しておられたのです。 知名度は,大阪でもメジャーの域には達しておりませんが,近い将来,仕出しの分野で「三つ星」を獲得される事でしょう。 |
記録写真 |
大江 孝 |