日本インテリア学会関西支部 【チャイルド・ケモ・ハウス講演会&見学会報告】
日本インテリア学会関西支部 会員各位

室内なのに「外」の生活から、当たり前の何気ない「家」での生活へ

 「泣きたいのに泣けないことが一番つらい」。小児がんにおけるクリーンルームでの治療中の住まいは、カーテンで仕切られた、たった 2 坪のスペース。そこで半年間、親子が寄り添って暮らす。過酷な治療に加えて、ぎりぎりの居住環境にも耐えなければいけない。こうした現場の声を丁寧にすくいあげて、 8 年の歳月をかけて完成したのが、治療中も普段の「家」のように過ごせるチャイルド・ケモ・ハウスである。

4 月 27 日に開催されたシンポジウムとオープンハウスには、当事者のご家族も多数参加されており、真剣なまなざしが、心に迫りました。これから実際の暮らしと治療が始まり、家具やお気に入りのものが持ち込まれ、ご家族の声が聞こえるようになった頃、さらなる展開に向けて、使い勝手や居心地などに関する検証も始まるのでしょう。

  勇気ある新しい第一歩の舞台に居合わせることができ、今後の動向への期待が高まりました。チャイルド・ケモ・ハウスはすべて寄付によって成り立っている施設。積極的に寄付を行う本学会会員も見られました。施設の概要や寄付にご関心のある方は是非、 HP をご覧になってください。(チャイルド・ケモ・ハウス http://www.kemohouse.jp/  

記:松田 奈緒子

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